ガリシアというのはスペインの北西部、ローマ、エルサレムと並ぶカトリックの聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラで有名な地方です。また、ここは三陸海岸や若狭湾のように入り組んだ海岸線を持っています。というよりも、こここそは「リアス」(スペイン語で入り江)の語源となった地なのです。当然、魚介料理は豊富。店主の太田さんは、技量をさらに高めるべく、今月中旬に松海寿司で研鑽を積んだとか。
ホッキ貝のカルパチョ。
活〆真蛸の鉄板焼き。
メニューにはないけれどお勧めされたシマエビのメロッソ。
どれもたいへん美味でした。店の造りもとてもよい。人に積極的に薦めたいし、自分でも何度も足を運びたい。この日は時間がなくて残念でしたが、次回はもう少し余裕のあるときに、肉料理やチーズ、ワイン以外の飲み物も試したいものです。
さて、39歳になりました。イヤでも余生というものを考えざるを得ない年齢です。写真家の大橋仁さんは「この写真集は30代のうちに出したい」と思い、全財産をはたいてただヒトによる「肉団子」を見るために撮った大作『そこにすわろうとおもう』を40歳の誕生日の2日前に出版したそうです。姫野希美さんは40歳を目前に控えて、「人生は短い。純粋に作りたいと思う本だけを作りたい」と思い、赤々舎を立ち上げたそうです。
翻って私自身はどうかな?これからの自分に何ができるかと問う以前に、今の自分に何ができているかを問う方を優先させるべきでしょうね、私の場合は。
でも、余生の可能性について、今とは違う何かについて、全く考えていないわけではないですよ。こう見えてかなりの野心家なのでね、僕は。
この夜は中秋の名月。30代最後の1年のスタートは、ツキに恵まれたな。そういえば芭蕉は「名月や池をめぐりて夜もすがら」と詠んでいたはずだ、と思い、井の頭池のある井の頭恩賜公園へ。
しかし、いくら池をめぐっても、水面に映るは街灯ばかり。ふと夜空を見上げれば、もはや雲に隠れて照る月の光も見えず。
よけいなことを考えると、ツキに見放されるよってことか。
芭蕉は「夜もすがら」だそうですが、私は終電で帰りました。翌日も仕事でしたのでね。
0 件のコメント:
コメントを投稿